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尾道に行って来ました!(2)

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今回の尾道行きはドビンちゃんに会いたいってのが主たる動機ではあるんだけど、もうひとつ、林芙美子の石碑を見てみたいってのがありました。
林芙美子の石碑は、ロープウェー山頂から続く「文学のこみち」の途中にあるんですが、回訪問時は逆のルートで降りてしまったので見ることが出来ませんでした。
東京に帰ってから尾道についていろいろ調べるうちに「放浪記」の一節に出会い、ちょっと感動してしまいました。

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海が見えた。海が見える。  
五年振りに見る尾道の海はなつかしい。
汽車が尾道の海にさしかかると煤けた小さい町の屋根が提灯のように拡がってくる。
赤い千光寺の塔が見える。
山は爽やかな若葉だ。
緑色の海、向こうにドックの赤い船が、帆柱を空に突きさしている。
私は涙があふれていた。

この一節に感動して「放浪記」を読んだんですが、予想と違ってまるで今のブログのような内容なんですよ。
その当時ネットがあればきっと初代ブログの女王は林芙美子だったんじゃないだろうか?ってくらい赤裸々につづってます。
生活のためにカフェの女給さんなんかもやってるんですが、女給さんってのは今で言うところのキャバクラ嬢みたいです。
極貧生活にうんざりして「あー、何でもいいからお金が欲しい」みたいなことから、「こんな事ならいっそ死んでしまいたい」的な投げやりな文章があったかと思うと、常連のお客さんをさして「いい人なのはわかるんだけど、あの人だけは嫌」ってな具合になんとも正直な気持ちが日記として展開します。
大正、昭和の初期を生きた女性と、平成の時代を生きる現代の女性と、物事に対しての感覚がたいして変わってないところがちょっとした驚きでした。
いつの時代も女性はたくましいですね(笑)

そんな林さんが多感な少女時代を過ごした尾道に帰ってきたとき、変わらぬ佇まいに思わず涙してしまったんでしょう。
ドビンちゃんにしろ、林芙美子にしろ、どこか孤独で不運な影を持つ人も変わらぬ優しさで迎え入れてしまうような懐の深さがこの街にはあるような気がします。

穏やかな瀬戸内の海を見下ろす斜面には多くの寺社や墓地が点在し、生と死がごく自然に隣り合わせで同居しているようでもあります。
狭い路地はまるであの世とこの世を結ぶ迷路のようでもあり、ひとつ路地を間違えただけで異界へ踏み込んでしまうのではないかと錯覚を起こさせるくらいでもあります。
だからこそここには、各地を放浪した芙美子が帰りたい場所として願ったように、人を惹きつける不思議な魅力があるのでしょう。

足腰には厳しいんですけどね(苦笑)

▼千光寺の赤い塔

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▼千光寺の境内

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▼千光寺の赤い塔は街のいたる所から見る事ができます。

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